[パーク統合クリニック:診療内容] 一般内科・漢方内科(アレルギー・皮膚科、婦人科、癌治療)・糖尿病内科・内分泌内科・心療内科、一般外科、リハビリテーション科、プラセンタ治療
悪性腫瘍の治療には手術、抗癌剤、放射線療法の三大治療があります。近年、免疫療法を含む多くの新療法が研究開発されてきましたが、代替療法の一つとされる中医薬治療は長年の臨床治療実績から、その有効性が高く評価されています。
中医学は古くから悪性腫瘍に対する独自な理論体系が形成されていました。
1.中医学の悪性腫瘍病因説では、主に七情内傷、臓腑虚損、気血不和、外邪侵入、飲食失調が病因と認識されます。
七情内傷とは、過剰な不良精神情志活動、
臓腑虚損とは、臓腑機能の低下、
気血不和とは、血液循環障害、
外邪侵入とは、ウイルスを含む病原性微生物の感染、
飲食失調とは、暴飲暴食、偏食、不潔など不良飲食習慣との理解です。
その中で、臓腑虚損・正気虚衰は悪性腫瘍発生において最も重要な要因と認識されています。
2.中医学の悪性腫瘍病理学では、主に気滞、血瘀、痰湿であると認識する。
気滞とは、体内の気の運行が停滞又は停止することを指します。
血瘀とは、血液循環の異常で、血管内或いは血管外(出血後)の血液の塊を指します。
痰湿とは、体内における異常な水の貯留を指します。
気滞、血瘀と痰湿の三者は相互因果関係をなします。
3.中医学の悪性腫瘍治療では、基本的に「弁証論治」のもとで、扶正(抗病力向上)と袪邪(腫瘍排除)の方法があります。
扶正法は、生体に欠損する物質を食物、生薬などを用いて補充することと低下する生体機能の向上をはかることです。
袪邪法は、活血化瘀、清熱解毒 軟堅散結の効能をもつ生薬を投与することによって、悪性腫瘍を攻撃し、腫瘍を排除することを指します。
扶正法は、悪性腫瘍の中医治療のうち最も基本・安全・有効な方法です。
(1)
免疫力強化:扶正法の一つである「補気」法には、著しい免疫力増強の効能があります。気の「推動」生理機能を高めることで悪性腫瘍の病理基本である気滞、血瘀、痰湿が解消できます。気の「防御」生理機能を増強することで悪性腫瘍細胞に対する監視・攻撃機能向上、ウイルス感染に対する予防機能が高められます。
常用補気生薬:人参、党参、西洋人参、太子参、黄耆、白朮、山薬、大棗
(2)
内分泌系機能調整:中医は悪性腫瘍の患者さんに「陰虚」または「陽虚」の体質傾向があると、弁証します。不均衡な体質傾向は内分泌系機能失調に類似するものです。
対処法としては「補陰法」または「補陽法」を用いて調整をすることができます。
常用補陰生薬:沙参、麦門冬、百合、石斛、黄精、枸杞、桑のみ、女貞子、黒胡麻、亀甲、鱉甲
常用補陽生薬:鹿角、淫羊藿、仙茅、補骨脂、海馬、肉蓯蓉、菟糸子、杜仲、くろみ、冬虫夏草
(3)
骨髄機能改善:「腎は骨髄を司る」という中医理論に基づき、補腎法を用いて骨髄造血機能が改善できます。抗がん剤、あるいは放射線療法による骨髄抑制の副作用を防止・改善することで、感染予防の目的が果たせます。
常用補腎生薬:温補腎陽:附子、肉桂、菟絲子、鹿角膠、熟地、山薬、枸杞、杜仲、山茱萸。
滋補腎陰:熟地黄、山茱萸、牛膝、亀甲、鱉甲、女貞子、黒胡麻。
(4)
消化機能増進、代謝機能改善:「脾胃」は後天の本で、「気、血、津液」の源です。健脾和胃法を用いて「気、血、津液」の生成を増加すると同時に、体内痰湿の生成を抑制することができます。西洋医学治療による消化器系への副作用の防止、軽減、患者体質の回復によい効果が得られます。
常用健脾生薬:党参、白朮、甘草
袪邪法は抗腫瘍効能をもつ活血化瘀、清熱解毒 軟堅散結などの生薬を用いて腫瘍を攻撃・排除する方法です。
(1)常用活血化瘀生薬:
三棱、莪朮、田三七、川芎、丹参、当帰、牡丹皮、芍薬、紅花、元胡、乳香、没薬、穿山甲、土大黄、五霊脂、降香 川楝子、蛇梅、烏頭、全蝎、僵蚕、水蛭、土鱉虫
(2)常用清熱解毒生薬:
黄連、黄芩、大黄、金銀花、苦参、白毛藤、半枝蓮、白花蛇舌草、山豆根、敗醤草、野菊花、蒲公英、七葉一枝花、垂盆草、全瓜蔞、龍葵、紫根草、腫節草、冬凌草、一見喜、虎杖、大青葉
(3)常用軟堅散結生薬:
夏枯草、山慈、昆布、海藻、瓦楞子、牡蛎、亀甲、鱉甲、穿山甲、鶏内金、猫爪草、五倍子、僵蚕、土鱉虫